角膜強化法(LASIKXtra)について。

現在、LASIKに角膜クロスリンキング(角膜強化法)を組み合わせることを強く勧めている施設があります。角膜クロスリンキングとは、もともと円錐角膜という角膜が経時的に変形(突出する)する疾患を予防する治療法です。円錐角膜には90%以上の進行予防効果がある世界的に認められた治療方法です。
LASIKXtraとは通常のLASIKを行う際に、角膜クロスリンキングを組み合わせることによって、1)術後の近視の戻りをなくす。2)まれな合併症である角膜拡張症(医原性円錐角膜、ケラトエクタジア)を予防する。と謳っています。

安心LASIKネットワークでは、現時点において、この治療には科学的バックグラウンドが乏しく、患者様に推奨することができないと考えています。以下に理由をあげます。
①LASIKXtraに関しては、過去に論文が発表されておりますが、残念ながら、どの論文を見ても、1)と2)についてのエビデンスがあるとは言えません。
②LASIKXtraに使用されるエネルギーは通常の角膜クロスリンキングの半分で、実際に角膜が強化されているかどうかの証明がありません。
③どの論文をみても(とくに論文3は通常のLASIKとLASIKXtraを比較した質の高いジャーナル(American Journal of Ophthalmology)の論文)、両者の結果に差が認められません。
④角膜拡張症はまれな合併症であり、術後長期たってから発症することがあります。頻度も低いことから、多数のデータを長期間にわたって追わないと、LASIKXtraが角膜拡張症の予防になっているか証明することはできず、現在そのような検証はなされていません。
⑤角膜クロスリンキングは合併症の可能性があります。たとえば、角膜混濁や、術後の遠視化(角膜が長期にわたってフラットになっていく)など視力低下の原因となるものもあります。報告されている論文では、LASIKXtraは「安全」と結論づけらていますが、少ない症例数で短期間の経過のみしか見ていませんので、LASIKと併用した際の安全性が確立されているとは言い難いと考えます。
⑥角膜が薄かったり、近視や乱視が強く、角膜拡張症のリスクがあると思われる症例は、そもそもLASIKは適応とせずに、フェイキックIOL(ICL)などの角膜を削らない方法を選択すべきです。一方、角膜の厚さに余裕があり、近視度数も中等度以下でLASIKの良い適応の方には角膜拡張症のリスクは非常に低く、エビデンスの乏しい角膜クロスリンキングを組み合わせる必要はないと考えます。

参考文献

Three-Year Outcomes of Simultaneous Accelerated Corneal Crosslinking and Femto-LASIK for the Treatment of High Myopia in Asian Eyes.
Lim L, Lim EWL, Rosman M, Koh JCW, Htoon HM.Clin Ophthalmol. 2020 Sep 25;14:2865-2872. doi: 10.2147/OPTH.S260088. eCollection 2020.PMID: 33061271 Free PMC article.

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Epithelial remodeling after femtosecond laser-assisted high myopic LASIK: comparison of stand-alone with LASIK combined with prophylactic high-fluence cross-linking.
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FDAによる調査報告

FDAがアメリカでレーシック施術を受けた患者を対象に満足度調査を行い、94%以上が満足しているという結果を得ました。

LASIK Quality of Life Collaboration Project (LQOLCP)

レーシック手術の安全性と効果の実証

レーシックの安全性について、さまざまな報道がされておりますが、
レーシックは、NASA、空軍で、視力矯正手段として2007年から認められています。
ぜひ、NASAと、米空軍のホームページをご覧ください。

NASA

NASAのサイト … http://astronauts.nasa.gov/content/faq.htm

『宇宙飛行機選考にあたって』のサイトで掲載されています。
サイトの中央部「 Is surgery to improve visual acuity allowed?」をご参照ください。

PDF資料はこちら→NASAも宇宙飛行士にLASIKを認める(英文)

空 軍

空軍のサイト … http://airforcemedicine.afms.mil/USAF-RS

空軍の医療部門にてレーシックを行っています。

PDF資料はこちら→空軍でも認められたLASIK(英文)

レーシック手術の満足度

「近視治療のLASIKの5年後の結果」
Ophthalmology.
2008 May;115(5):839-844.e2. Epub 2007 Sep 27.

近視治療としてLASIKを実施し、5年後の検査までの経過を追った402名の患者・779眼に関してフォローアップの実施を行った。 結論として、効果があり、安全な施術であることがわかった。 しかし、5年間の調査期間には、微細な視力の戻りがあることがあった。

「Satisfaction of 13,655 patients with laser vision
correction at 1 month after surgery」
J Refract Surg. 2009 Jul;25(7 Suppl):S642-6.

米国でのレーシック調査の報告の一例。レーシック手術を行なった13,655人に聞いたところ、満足度は非常に高く、95%が視力に満足、94.2%が生活を改善したとの結果になった。96.5%がレーシック手術を薦めると回答した。

安心LASIKネットワーク会員施設調査による
レーシック手術の患者満足度

アベリーノ検査について

昨今、アベリーの検査についてのお問い合わせがあります。
一部の施設で、遺伝子検査によるアベリーの検査を進めているところがあるようです。

安心LASIKネットワークの施設では、眼科専門医が診察時にきちんと医師の目で角膜を調べて病気の有無を確認しています。ですので、あえて受けなければならない検査ではありません。

この検査をめぐり、費用や結果を知らせないことなどでトラブルが生じています。ご心配な方は、安心LASIKネットワークの施設、またはお近くの眼科にご相談ください。

「アベリーノ角膜変性症」は、眼科では「角膜ジストロフィー」または「顆粒状角膜変性」と呼ばれる疾患のひとつです。角膜に濁りが生じる遺伝疾患で、そのほとんどは成人までに発症します。
LASIKの術前検査では、この角膜ジストロフィーだけでなく、その他の注意すべき角膜の病気を、眼科専門医がしっかりと観察して診断しています。角膜ジストロフィーだけでなく、円錐角膜などの病気も、レーシックの禁忌(してはいけない)で、眼科専門医は、これらには特に注意をして診察をしています。 つまり、アベリーノ検査をすれば安心というわけではありません。角膜疾患に詳しい眼科専門医がしっかりと診察して、レーシックの適応を見分けることが重要なのです。

安心LASIKネットワークの施設では、「角膜ジストロフィー」(アベリーノ角膜変性症)の治療も行なっている施設がほとんどです。ですから、この疾患についても詳しい知識がありますので、ご心配な方はネットワークの施設にご相談ください。

お問い合わせ 安心LASIKネットワーク事務局

TEL:03-6456-4018

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