視力矯正の種類とそれぞれのメリット・デメリット
視力が落ちてきたと感じる方や、コンタクトや眼鏡から解放されたいと思っている方なら、
一度は視力を回復させる手術について考えたことがあるのではないでしょうか。
視力回復法には色々な種類がありますが、その中で最もメジャーなのが、
レーザーを照射するレーシックと眼内レンズともよばれるICL(アイシーエル)という手術法です。
そこで今回は、手術を受けて視力を回復させたいと考えている方のために、レーシックとICLを比較し、
手術法の違いやそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
安全面や費用面はどうなのか、自分の眼にはどちらの手術が合っているのかなどを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
こちらの動画でもレーシックとICLの違いについて、眼科専門医4名が紹介しております。
レーシックは、視力回復法の中で最もスタンダードな手術で、日本で30年以上の臨床実績のある矯正精度が高い手術です。
手術法は、眼球の角膜をエキシマレーザーとよばれるレーザー光線で削り、角膜のカーブを変えて屈折異常を矯正します。
近視や遠視、乱視など、光の焦点が合わないことでピントがぼけていた状態から、
角膜のカーブが変わって外部からの光が網膜でピントが合うようになり、裸眼の視力が回復するという原理です。
術後の視力低下を心配される方もいますが、加齢による老眼や近視、乱視といった視力低下は人それぞれ多少あるものの、
レーシックの矯正効果は安定していて、元の視力に戻ることはほとんどないとされています。
まずは、レーシックのメリットとデメリットについてご紹介します。
レーシックのメリット
レーシックを受ける最大のメリットは、近視や遠視、乱視によって低下した視力が回復することです。
これまでメガネやコンタクトを手放せなかった方が裸眼で過ごすことができるというのは、手間やコストを考えてもかなり魅力的と言えるでしょう。
レーシック術後は、軽度の違和感とぼやけ感が数時間ありますが、その後は改善し、日常生活にほどんど支障をきたしません。
他の視力矯正手術に比べて費用がリーズナブルというのもレーシックのメリットです。
「レーシックは高い」というイメージがある方も多いと思いますが、実はICLのなどの視力矯正手術を受けるとなると、費用はさらに高額になります。
レーシックは高い技術力が必須となる手術である上、専用の精密機械を使用します。
病院でレーシックについて詳しい説明を聞けば、手術費用が妥当なコストであると納得できるでしょう。
中には「痛みがありそうで怖い」という方もいらっしゃるでしょう。
しかし手術は点眼麻酔をした上で行い、痛みはほとんどありません。
施術後においても、違和感を覚えることがありますが、病院で処方される点眼薬を指示通りに使用することで、痛みを感じることなく過ごすことができます。
レーシックのデメリットは、削った角膜を復元できないという点です。
レーシック手術では、角膜を直接特殊なレーザーで削ってしまうため、一度手術をすると元の厚みを取り戻すことができないのです。
しかしレーシックを受ける際は、術前検査として2〜3時間ほどかけて非常に精密な検査が行われます。
その際、矯正度数や乱視の有無などそれぞれの眼に合わせたシミュレーションが行われるため、角膜を復元ができないことは大きなリスクではないといえます
ICLは、眼内にソフトコンタクトレンズを入れることで、近視や遠視、乱視を治療する手術です。
点眼麻酔後、角膜を数ミリ切開し、眼内レンズを眼の中に挿入して水晶体と虹彩の間にインプラント(生体内に埋め込むこと)します。
レンズを眼内に入れるといっても、見ためには全く影響がなく、長期的に安定した視力の維持が可能です。
また、万が一、眼病の手術が必要なときなどに、入っているレンズを取り除いて元の状態に戻せるといった有用性の高さが評価されています。
ICLは、屈折度数が強いケースや角膜が薄いケースなど、レーシックが適用できない際に行われることが多い手術法です。
屈折強度が強いケースについては、こちらのページでより詳しくご紹介しています。
ぜひご覧ください。
レーシックで治せる度数の限界は?強度近視とレーシックについて
レーシックについて理解できたら、次にICLのメリットとデメリットについても知っておきましょう。
ICLのメリット
ICLの大きなメリットは、長期にわたり安定した視力が得られることです。
レンズは半永久的に使用でき、定期的に交換する必要がないため、メンテナンスも不要となっています。
また、将来的に何らかの手術をすることになった際などは、レンズを取り外すことも可能です。
ICLは角膜にほんの小さな穴を開けて、そこからレンズを挿入する手法のため、角膜を削り取る必要がないのもポイントです。
そのため、角膜の薄さが原因でレーシックが受けられない方も、ICLであれば手術の対象となるというケースが多くあります。
とくにコンタクトによるドライアイで悩んでいる方にも、ICLはおすすめです。
レーシックでは術後一時的にドライアイの症状がありますが、ICLでは角膜を削らないためドライアイの症状はありません。ICLをしたからといって涙の分泌量が増えるわけではありませんが、術後はコンタクトを装着する必要がなくなり、ドライアイが改善されます。
ICLのデメリット
ICLのデメリットとして、施術費用が高額になることが挙げられます。
半永久的に使用でき、かつ度数や乱視の有無、レンズのサイズなどが個々に合わせて作成されるため、どうしても費用がかかるのです。
当日は、レーシックが10分ほどの手術と術後の診察で終了するのに対し、ICLは手術に20〜30分、その後様子を見るために1〜2時間院内で待機する必要があります。
ICLは眼内に挿入するため、周辺の角膜内皮細胞数の減少、水晶体の混濁(白内障)などの合併症が器具されます。
現在のICLは改良されており、このような合併症はの可能性は低いといわれていますが、長期の経過をみないとまだわかりません。
また、眼内手術ですので、感染症が起こった場合は、視力に関わる重篤な状態になる可能性があります。これらは稀と思われますが、可能性をよく理解した上で手術を受けることが大切です。
レーシックとICL、それぞれの手術を受けた後の違いについてご紹介します。
レーシックは、角膜を削る分コントラストの感度が低下したり、見え方に若干違和感を覚えることがあります。
それに対し、ICLはよりクリアで色鮮やかな見え方が特徴です。
いずれの手術を受けた後も「ハロ・グレア現象」が起こる可能性があることを理解しておく必要があります。
ハロ・グレア現象とは、光を見た時に通常よりも眩しさを感じたり、滲んでいるように見えたりする現象です。
とくに、夜間の車のヘッドライトや街灯が丸い輪っかのように光って見えると感じる人が多く、そこから「せっかく手術をしたのに見えにくい」と感じてしまう人もいるようです。
しかし、ハロ・グレア現象は時間の経過とともに落ち着いてくるのが一般的です。
感じ方には個人差が大きいですが、仕事などで夜間や長距離の運転をする必要がある場合は、医師とよく相談しましょう。
一般的に、近視の進行は20代半ばで止まると言われており、それ以降の年齢でレーシックやICLを受けた場合は、いずれも長期的に安定性が高いといえます。
しかし、レーシックの場合はおよそ5%の人に再手術が必要になることがあるとされています。一方、ICLでも近視が進行した場合は、レンズの入れ替えやレーシックによる調整が必要となります。
基本的にどの病院でもアフターケアが付帯しており、条件を満たしていれば無料で再矯正が可能です。
万が一見え方に不安が出てきた場合は、手術を受けた病院に相談してみましょう。
いずれも安全性に問題はない手術法です。
しかし、眼の手術という観点から考えると、眼球の奥にいくほど感染症になった場合の深刻度が高くなり、それと同時に豊富な知識と高い技術力が求められます。
レーシックが眼表面の角膜を削るのに対し、ICLは眼内の手術となるため、感染症についてはレーシックの方が安全性が高いと考えられます。
レーシックは両眼10分程度、ICLは15〜20分程度となるのが一般的です。
それほど大きな差はないように感じるかもしれませんが、レーシックが診察後すぐに帰宅できるのに対し、ICLは1〜2時間安静が必要となるため、全体的な時間はレーシックの方が短くなります。
レーシックの費用相場は両眼で25〜40万円程度、ICLの費用相場は45〜100万円程度です。
いずれも、乱視の有無や内容によって追加費用が必要になることがあります。
レーシックは、強度の近視や角膜の形状に問題がある場合は手術を受けることができません。
重度の眼疾患、全身疾患などがある場合も同様です。
一方のICLも、眼疾患や全身疾患がある場合は受けられないケースがありますが、角膜の厚みや近視の程度によってレーシックの適応外となった人も通常は手術が可能です。
レーシックの場合、角膜を削りとるので、、元の状態に戻すことができません。
しかし、ICLであれば将来的に必要があれば、眼内のレンズを取り出して元の状態に戻すことが可能です。
いかがでしたでしょうか? この記事を読んでいただくことで、レーシックとICLの違いがご理解いただけたと思います。
一生付き合っていく大切な眼ですから、安全に手術が受けられるように信頼できる病院を選ぶようにしましょう。
安心LASIKネットワークでは、レーシックを安心して受けていただけるよう、眼科専門医による正しい情報を発信しています。
また、安心してレーシックを受けていただける全国の大学病院・眼科クリニックは下記でご紹介しています。
安心LASIKネットワークとは、屈折矯正手術を専門とする眼科専門医の集まりで、お互いの「知識」「技術」「情意」について信頼し、紹介し合える医師・施設のネットワークです。
インターネットには膨大な量の視力矯正についての情報がありますが、それらすべてが正しい情報とは限りません。
安心LASIKネットワークでは、レーシックを含む視力矯正を行いたいと検討している方に向けて、安心して手術を受けて頂けるよう、レーシックのみを推奨するのではなく中立な立場で、視力矯正に関する正しい情報を発信しております。
安心LASIKネットワークでは、全国各地の大学病院や眼科クリニックが加盟しております。
以下の条件を満たした施設のみが加盟しております。
*一部抜粋となりますので、詳しくはこちらのページをご覧下さい。
【安心の条件】
【経歴】南青山アイクリニックの院長としてレーシックなどのレーザー屈折矯正手術に取り組み、症例数は16000症例を超える。22年の長期データを蓄積し、レーザー治療のプロフェッショナルである。